成功事例

想定外の出来事を治療法開発の成功につなげたオンディーン・バイオメディカル社

想定外の出来事を治療法開発の成功につなげたオンディーン・バイオメディカル社


ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバーを拠点とするオンディーン・バイオメディカル社(以下「オンディーン社」)は1999年創業の医療機器開発メーカーで、自社製品を上市する際に、人と人とのつながりや個人の開発意欲を重視する異色の企業である。オンディーン社は、多様なバクテリア、ウイルス、真菌による感染症の非抗生物質療法や治療薬の開発に特化している。同社のMRSAid™システムは、鼻腔内にバイオジェルを塗布し、医療レーザーを照射することでバクテリアを完全に殺菌・除去する安全かつ迅速な殺菌方法であり、病院や患者の健康と安全を確保する上で極めて有効な治療法となっている。

オンディーン社の創業者兼CEOのキャロリン・クロス氏は、彼女と自身の娘に実際に起きた2つの出来事をきっかけに、この治療法の開発に取り組むことを使命とするようになった。クロス氏の娘は子どもの頃に抗生物質耐性菌による感染症と誤診されて、危うく命を落としそうになっている。この経験が、彼女が薬剤耐性に関する研究の強化を決意する最初のきっかけとなった。クロス氏は語る。「このとき私はすっかり打ちのめされていました」。「でもそのおかげで抗生物質耐性対策の第一人者となったのです」。

その後2011年には、彼女自身が飛行機事故に遭い、けがを負ってしまう。バンクーバー・ゼネラル・ホスピタルで手術を受けることになったクロス氏は、担当医から彼女自身が開発した治療法によるバクテリアの殺菌処置を受け、回復期の感染罹患を防ぐことができた。航空機事故から無事生還したクロス氏は、光殺菌の技術を世界中の病院に普及させ、感染症との闘い方を変えたいという思いをさらに強く持つようになったという。

MRSAid™は、患者の鼻腔内に綿棒でバイオジェル塗布し、レーザーを短時間照射する治療法であり、病院やクリニックで施術すれば、感染症の患者や、薬剤の過剰使用の結果薬剤に反応しなくなった際、感染症による死亡者を減らすことができる。この治療では、人体組織にまったく害のない強力な殺菌剤を使用する。バンクーバー・ゼネラル・ホスピタルはオンディーン社のバイオメディカルテクノロジーを初めて導入した病院であるが、その効果が認められ現在は広く普及している。5,000人の患者の身体を手術前に滅菌して、この技術をテストしたところ、手術部位感染症や、術後感染症による再入院が劇的に減少したことが報告されている。MRSAid™はカナダでは医療機器として承認されており、欧州連合では現在承認待ちの状態である。

ブリティッシュ・コロンビア州の医療機器産業は好調に業績を伸ばしており、今後も成長が続くと見られています。州内には、製品開発段階の企業から国際的競争力のある企業まで、約90社の医療機器および診断機器メーカーが集積しています。

BC州国際貿易省は、ライフサイエンス企業の貿易・投資の円滑化を図るためにさまざまな支援を行っています。BC州企業とのパートナーシップ構築にご関心をお持ちの皆さまは、最寄りのBC州政府事務所までお問い合わせください。


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